自己満足の『旅どう。アーカイブス』、8回目の更新です。
これは2003年、僕がカプチーノを手に入れて、初めて自分のクルマで北海道を一週間旅した記録です。オープンカーで北海道を、思う存分ひた走る! その夢をかなえた瞬間です(笑)。総走行距離は、3,000kmを越えました。
不定期更新ですので、記事の間隔が空いています。もし読んで頂ける方は左の「カテゴリー」から『旅どう。アーカイブス-2003年北海道-』をクリックして頂くと読みやすいです。
1日目はコチラ。2日目その1はコチラ。その2はコチラ。3日目その1はコチラ。3日目その2はコチラ。4日目その1はコチラ。4日目その2はコチラ。
----------------------------------------------------
寒さで目が覚めた。トレーナー、フリース、ジャケットとかなり着込んで完全防備を整えた上で寝袋に潜り込んでいたのだが、そんなもの、殆ど効果がないくらいに寒さが全身にしみ込んでいる。
ここは、中川町の中川町森林公園。ツーリングマップルにも紹介されている、無料で泊まれる高床式のログハウスがあるのだ。昨日泊まった富良野ユースで出会った「結果的に日本一周」している北海道一周の九州男児ライダーから、ここの事を聞いたのである。ユースには泊まりたいが場所が悪い。とはいっても、他に宿の情報も知らない。キャンプ道具はあるが寒さがなぁ・・・・・・。とアタマを抱えていた時だ。
「この間泊まったログハウスはぁ、かぁなりよぐあったですよ」
「ログハウスですか?」
「えぇ。そこのぉ、掃除のオバサンと仲良くなりましてねぇ、トウキビをぉ、御馳走してもらったとですよ」(※方言はかなりテキトーです)
「でもログハウスって、お金取られるでしょう?」
「いんやぁ、そこんこつログハウスはぁ、タダでしたとですよ」
「タダ?」
「んです。ツーリングマップルにも載っとるとですよ」
ログハウスか・・・・・・。キャンプといえば、テントを張るという事しかアタマになかった僕にとって、その考えはとても新鮮なものだった。雨風はしのげるだろうし、朝露も防げて、少しは暖かく過ごせるだろう。しかもそれがタダで利用できる。かつ、場所は宗谷岬から約80キロと手頃な距離。いうことはないではないか。
「よし、そのアイデア、いただきます」
ーーそれが、中川町森林公園の高床式ログハウスだった。
到着した時間は午後五時頃。既に辺りは暗くなりかけていた。戸を開けて中に入ると案外広い。15畳位だろうか。その三分の一が高くなっていて、畳が敷かれている。窓を開けると、町を見下ろす高台の公園に、さらに高床式のログハウス。見晴らし的に文句は無いが、生憎窓はガラスではなく板であったので、閉めておくしかない。寒さの事もあるが、こんなに気温が低いにも関わらず、明かりをつけているとかなり虫が入ってくるのだ。
コレがウワサのログハウス。
夜は寂しい・・・・・・。
時間的に、もう人は来ないだろうと思われるが用心に越したことはない。とりあえず寝袋と銀マットで存在感を示しつつ、夕食の買い出しに行くことにした。一応バーナーは持っているので、お湯くらいは沸かせる。飯を炊くことも考えたが、後始末が面倒になりそうだったのでNG。昨日ホクレンでもらったタマゴをいくつか茹でておけば良かったと、ここにきて後悔する。
町中にあったスーパーで、肉の大和煮の缶詰とパン、それに飲み物を購入。その後、夜を共にする雑誌(ヘンなモノではない 爆)を求めてセイコーマートへ。考えてみると、北海道に来て初のコンビニ買い物なのであった。とはいっても、実はログハウスが見つからず、一度このセイコマで道を尋ねたのであるが(汗 それだけに、妙に気恥ずかしいモノがあるのであった。
何食わぬ顔をして雑誌をレジに持っていくと、さっき道を訊いたオネーチャンが、
「場所、わかりました?」
と声をかけてきて、内心激しく動揺。とたんに、あ、はい、わかりました。どうもすいませんねぇハハハハ。などといったフニャフニャオトコになってしまった。
「そうですか。踏切渡って、温泉のそばだったでしょう?」
オネーチャンは続ける。ワタクシは思わず聞き返した。
「え? 温泉があるんですか?」
聞くと、中川町には「ぽんぴら温泉」という温泉がでているのだという。そういえば、途中でやたらと近代的な建物があった。というわけで、そのまま温泉に直行である。山中に似つかわしくない、ホテルのような(実際にホテルでもあるのだという)建物の中に、その温泉はある。入浴料は400円。設備を考えれば安いものである。あまりに近代的で清潔すぎて風情はないが、そこまで贅沢はいえまい。
ログハウスに戻ると、そこは出た時そのままだった。湯を沸かし、残っていたカップラーメンをすする。今夜はそれと缶詰とパン。パンは朝メシの為に半分残しておく。ラーメンを食べれば暖かくなると思ったがそんな事はなく、始めは暖かいと感じたログハウスの中もさすがに冷えてきた。
アッという間に侘びしい食事は終了。あまりに身も心も寒々しいので、ペットボトルのお茶を温めて飲むことにする。携帯ラジオを付けるとプロ野球をやっているようだが、電波が悪く音が大きくなったり小さくなったり。あちこちにチャンネルを合わせていると、ロシア語らしき言葉が流れてきた。
おお、いかにも北海道らしいではないか、と思ってしばらくそのままにしていたが、妙に広い空間で孤独にロシア語を聞いていると、何故だか気味が悪くなってきて、結局ラジオも消してしまった。
結論。さっさと寝ろって事。
しかし、である。このログハウスはあくまで公共のものであるので、入り口にカギなどかからない。しかも窓は木の板、外の様子は全く分からないのである。つまり、夜中に誰かが入って来ることもある、という事だ。テントであればある意味自分だけの空間である為、こんな心配をする事もないだろうが。
入ってくるのが旅行者である事も考えると、ドアの前にモノを置いておくのも気が引ける。仕方なく、そのまま無防備の状態で寝ることにした。電気を消し、寝袋にくるまる。銀マットを敷いているものの、空気の冷たさがじわじわと染み入ってくるような気がする。何度か寝返りを繰り返し、ようやく暗闇にも目が慣れた時、
ミシッ・・・・・・。
!?
思わず上半身を起こす。間違いなく、今のは木が軋む音だった。誰かが階段を上ってきているのか? しかし、ドアが開く様子はない。音もそれきりだ。
再び、寝袋の中へ。冷えてしまった空気がまた暖まりかけた時。
ギシッ・・・・・・!
うおぉ!! ヘタレと言われようがなんだろうが、正直言ってコワイ!
だが、やはり誰も来るような様子はない。
それからは起きあがる事はなくなったものの、軋み音がする度にギクッとして眼を開ける事が続き、まともに寝ることができなかった。早く夜が明けろと思いながらも、時計はジリジリとして進んでいかない。それでもなんとか眠りに落ち、目が覚めて時計が5時半を指していた時には正直ホッとした。
ーーというわけで、ハナシは始めに戻るのである。窓の板を開けると、山に霧がかかっているが、天気は良さそうだ。ログハウスの屋根からは、夜露がしたたり落ちている。これが、昨日の軋み音の原因だったのだろう。お茶を暖め、パンを流し込む。
起きたのは五時半だったのだが、気が付くと出発は七時近くになってしまった。今日の予定は、いよいよ日本最北端の宗谷岬へ突入! である。
夜露でズブ濡れのカプチを走らせ、国道40号から道道551号を経由し、日本海沿いの道、道道106号に抜ける。ここからは右にサロベツ原野、左に日本海を見ながら一路宗谷岬を目指す。電柱もガードレールも無い、原野の中の一本道。
携帯画像シリーズ。日本海&天売島。
しかしこのまま一直線に向かうのも味気ないので、サロベツ原野のビジターセンターを目指す事にした。もっとも時間的に施設はまだ閉まっているだろうが、原野を散策する木道くらいは開いているだろうと踏んだのである。
道道972号に曲がり、ビジターセンターに到着すると、予想通り建物は閉まっていた。ここは二階の展望台からサロベツ原野を眺望する事ができるのだが、今回は断念。代わりに木道で長沼までを散策する。サロベツ原野とはなんぞや、というとつまりは湿原である。湿原とはどんなものであるのか、アタマでは分かっていたのだが実際に意識して眼にするのはこれが初めてかもしれなかった。触れてみると、確かに湿っていて弾力がある。目の前に広がる緑の大地と、青い空。僕の他に誰もおらず、聞こえてくるのは鳥の声、風の音。
長沼へと続く、木道を進む。気分爽快!
(当時の携帯画像なので、解像度悪いです)
何時間いても飽きないだろうと思ったが、今日もかなりの距離を移動しなくてはならない。それに、何より朝飯がまだなのだ!(爆)
センターに戻り、屋根を開ける。この瞬間、また新たな気持ちになる。ジャケットを着込み、手袋をはめる。帽子を被り、オープンスタイルは完了。
まずは朝飯のウニ丼を食べに稚内、野寒布岬へ向けて出発だ!
To Be Continued...... (5日目その2へ)
↓ランキング参加中です! よろしければ、クリックをお願いします!
人気blogランキングへ
最近のコメント