これまでのあらすじ。-その1- -その2- -その3- -その4- -その5- -その6- -その7- -その8-
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「エギュ・ド・ミディ」にて、愛を叫ぶ(?)。
シャモニーを離れると、次第に天気が回復してきた。昨夜通ってきた道をそのまま戻って再びスイスへと入国する。これからの予定は、このツアーでのある意味ウラの主役とも言える(?)、温泉入浴。この為に、水着を買ったのだ(笑)。
しかし……。
「お入りにならない方は近くのハイキングコースを紹介しますので、現地でお申し出下さい」
という添乗員さんの言葉に、
「あ、絶対に入れってワケじゃないんだ」
と、当たり前の事に気が付いた。それはどうやら僕だけではなかったようで、バスの中に「あなた、どうする?」的なビミョーな空気が漂う。よくありがちな、「あなたが入るんだったら私も……」というヤツである。
「……どうする?」
と、rikaが訊いてきたが、僕の答えは一つしかない。
「入るよ。当然」
何のために、苦労して10月に水着を買ったと思っているのだ。それにスイスまで来て温泉に入れる機会なんて、そうそうあるものではない。入っておかないと、多分後悔するだろう。
ーーという、ある意味ケチクサイ考えの元、僕らは入る事に決めた(笑)。
途中の展望台より、マルティニの街を見おろす。
ナポレオンが作った道路であるという真っ直ぐな道を進み、途中から左へと曲がる。スイスの道は、余程の都市と高速道路の出口以外では、ほぼ信号というものが存在しない。歩行者用も、である。歩行者が信号の無い横断歩道の前に立つと、例えどんなにヤンチャな外観をしたクルマであったとしても(笑)、キチンと止まって渡らせてくれる。
信号の無い交差点はほぼ例外なくロータリーになっており、クルマはタイミングを合わせて順番に通過していく。よって時間のロスが少なく、交通量がそこそこ多くても流れは順調。一概に日本に当てはめて考える事はできないのだろうが、こういうのを見てしまうとちょっと、ため息をつきたくなってしまうのであります。
バスが向かっているのは「ロイカーバード」。古くはローマ時代から知られていたという記録が残っている、由緒正しい温泉地なのだという。山道に入ったバスは、豪快にセンターラインをはみ出しながら(笑)、つづら折れの峠道を登っていく。日本で言うと、かなり「秘湯」の雰囲気が漂ってくる。
が。
着いたロイカーバードは、かなり山奥にも関わらず近代的な雰囲気。いかにも「リゾート」である。
そして道に迷う運ちゃん(爆)。
観光客が結構歩いているのでバスを止めて道を訊くのだが、どうにもラチがあかないらしく添乗員さんも参戦。
「アルペンテルメ! アルペンテルメ! アルペンテルメ! アルペンテルメ! アルペンテルメ!」
と五連発! やっぱ強いやこのヒト(笑)。
これが運ちゃんのツボにはまったらしく、しばらく添乗員さんをからかって遊んでいた(爆)。
「アルペンテルメ」というのが温泉という意味なのか、と思ったのだが、どうやら施設の名前だったらしい。ようやっと辿り着いたそれは、驚くほど清潔なビル。ホテルに付属している公共の温泉施設なのだという。手続きをするとICチップ内蔵のリストバンドを渡され、入場は自動改札。着替え場所やロッカー、シャワーにドライヤー(壁固定式)等の設備も完璧に揃っている。
入浴受付&建物内部。
ちなみに水着着用という事からも分かるように、ここは混浴。一旦中に入ってしまうと、男女別に分けられているのはトイレと、何故かシャワーブースのみ。「シャワーブース」と書かれた時点で違和感を感じた方はスルドイ。温泉とは言っているが、
ぶっちゃけ、プールだ。
屋内プール(笑)、の様子。
湯船ーーと言っていいのかどうか迷ってしまうがーーは二つ。屋内と屋外(露天、とは言い難いなぁ 笑)。一応硫黄泉との事で期待をしていたのだが、お湯は透明で無臭。但し、塩素の香り強し(爆)。外があるなら行ってみよう、という事でまずは外に。さすがにカメラは持って行けなかったので写真はないのだが、
絶景かな!
周囲を高い崖に囲まれている為見晴らしは良くないのだが、十分非日常な空間。プールサイド(?)にはデッキチェアが置かれており、優雅な雰囲気。この時は結構寒かったので、休んでいる人はいなかったけど(笑)。湯船……ならぬプールにはジャグジーが備えられていて、一定時間毎に泡が出てくる。皆、そこに寝そべって温泉を楽しんでいるようだった。
思ったよりも皆ノリが良く(?)、9割程の人が温泉に入っていたようだ。だが、熱いお湯に慣れた我々日本人には、少々ぬるすぎる。外の空気が冷たいせいでもあるのだろう。最初は外にいた皆も、いつの間にかほぼ全員が屋内に避難してきていた。
多少の違和感を感ぜずにはいられなかったが、とにかく5日振りの入浴! である(スイスに来てからはシャワーのみ)。ゆったりつかる、というワケにはいかなかったが、リラックスしたのは確かであった。
さて、時刻は既に16時近く。いよいよ本日の最終目的地、ツェルマットに向かうのである。「プールの後は眠くなる」の公式にのっとり、すぐに爆睡してしまうんだろうなぁ……と思っていたのだが、ぬるま湯だったのが逆に目を覚まさせたのか、一睡もする事無くツェルマットの玄関口(?)、テーシュに到着。
「テーシュ元気で留守がいい」……なんちて(汗)。
ツェルマットはガソリン、ディーゼル等の内燃機関を使用する車両の規制を行っている為、ここからは電車で向かう事になる。……という事で、二日間色々な意味で楽しませてくれた運ちゃんともここでお別れとなる。何人かの女性と一緒に写真を撮り、終始ゴキゲンな運ちゃんであった(笑)。
既に陽は落ちて、窓の外は真っ暗。何も見えない中、10分程で列車はツェルマットに着く。
来たぞ、ツェルマット! 真っ暗だけど……。
迎えに来ていた電気自動車にスーツケースを積み込み、では我々もーーと思ったら、
「では、行きましょう」
と、添乗員さん。
歩きかよ(汗)。
……まぁ、夜の散歩も悪くはない。駅から10分程歩いた高台に、今日のホテルはあった。ロビーに入ると、何と日本茶のサービス! ホンモノの緑茶である。これは嬉しい。聞くと、かなり日本人向けのサービスをしてくれているホテルだという。ロビーの雰囲気も結構落ち着いた、高級感のある造りになっている。
ホテルにて、緑茶のサービス。
レストランの天井。豪華でしょ?(汗)
夕食はホテルのレストランにて、肉料理。ちょっとカタかったが、久しぶりの生野菜(サラダバー!)もあり、かなり満足であった。ちなみに何故、サラダでここまで喜んでいるのか。それはスイスでは
とにかく生野菜が無い。
からである。考えてみれば、スイスに来てから酪農とブドウ畑は見たものの、農家とかを見た記憶が全くない。添乗員さんによると、スイスは野菜の80%を輸入に頼っているのだという。農家がいないワケではないが、ここまで輸入量が多いと価格その他の面で太刀打ちできるものではない。だがそうかといって、国内で農業が全く行われなくなってしまうのも困る。
ーーという事で、スイスは国策として、農家にかなりの額の援助金を与えているのだという。酪農にしても、牛一頭につき幾らだとか、それなりの援助金がでている。それ故、スイスの物価は高いのだと。言われてナットクなのである。
ツェルマットに着いてから、懐かしい懐かしい、と連呼していたrika。調子に乗ってワインを頼んだら、すっかりヨッパライになってしまった。ツェルマットの標高は1605m。それが多少影響したのであろうか(笑)。
夕食を終えて明日の予定が書かれた紙を受取り、そろそろ部屋に戻ろうか、としていたその時、添乗員さんが言った。
「非常に申し上げにくいんですけど、明日は雨の予報がでています」
「……」
「明日の予定ではマッターホルンの展望台に行く事になってるんですけど、非常に標高が高いです。そうなるとですね、もう雨じゃなくて、雪になってる可能性が高いんですね。明日は防寒をしっかりした服装でお願いします」
えーーっと、
とりあえず、寝よう(爆)。
明日は明日の風が吹く、だ。
続く……。(その10へ)
<オマケ画像>
「アルペンテルメ」外観。山中に似合わぬ、近代的な建物(汗)。
夕食時。「リベラ」というのはスイスでは一般的なソフトドリンク。味は……まぁ、マズくはないッス(笑)。
ツェルマットのホテル。四つ星!
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